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つい先日「写真・劣化・黒色化」というキーワードで検索されている方がいらっしゃいました。
お問い合わせ頂いた訳ではないので何処の誰だかわかりませんが「黒色化」というキーワードは初めてなので気になりました。
「黒色化」というのは現像された写真が黒色化したのか、ネガフィルムが黒色化したのかが分かりません。
通常現像された写真は時間と共にコントラストが落ちて薄くなってくる筈なので、黒色化したのならそのメカニズムを知りたいと興味が沸きました。
それともネガフィルムの黒色化なのでしょうか?
それなら考えられます。
フィルムは退色し始めると全体的に紫色になってきます、それを画像化すると全体が黄色くなっています。
ブルー層の退色が進んでいるためです。
そのような場合はブルー層の感度を上げてあげると良い感じに色再現が出来る場合があります。
それは多少なりともブルーの色情報がまだネガフィルム上に残っているからです。
それ以上に退色したフィルムは滅多に見ませんが、もしネガフィルムが黒色化しているなら各色層全てが退色して黒くなっている可能性がありますね。
退色したフィルムをデータ化すると時々黒くなったコマを見かけますが、それは夏の海辺やプールでの写真で直射日光や反射光の強い所で撮った写真です。
そのような写真はシャドー部の色の厚みが無いため簡単に退色して色情報を失っていて元に戻せない場合が殆どです。
多分黒色化したネガフィルムをデータ化しても全体的に薄い単色っぽい画像が表れるだけかもしれません。
一度拝見したいなと気になるキーワードでした。
日本は湿気が多いのでフィルムの長期保存には適さない環境です。
空気が循環しない押し入れの中に入れっぱなしで、防虫剤等と一緒に保管されている場合はもっと条件が悪くなります。
防虫剤の薬品成分がフィルムの乳剤面を劣化させるためだそうです、みなさんも気をつけて下さい。
写真は過去に連れ戻してくれるタイムマシーンの役割をします。
大切に保管しましょう。